ロミオとジュリエット(09/03/27)感想

 台詞とかあまり拾えてない&うろ覚えなのですが、見て思った事などをつらつら書き並べてみる。ネタバレありです。ただしレポではないので台詞とかの細かい事はあまりないです。
あ、あと東京千秋楽という事で。ひとまずお疲れ様でした。あとは大阪、無事に千秋楽を迎えられますように。



 まず全体的な話から。
 それで主役2人。「若いなー勢いがあるなー」という印象。とにかく全身で表現する! といった感じで。台詞にはちょいちょい聞きとりづらい部分もあったんだけど、でも迫る所のある演技だったかなあ……と。実際個人的には、ほぼ全部話を知ってる*1のに何回か泣きそうになったし。
あと、主役がどっちも新人というか、まだ経験の浅い(実際、2人ともこういう演技の舞台は初めて*2なわけだし)、でも感性豊かで役に入りまくる、その脇を経験豊富な人たちが固めてる感じがしました。
 それで脚本に関して……色々なところで言われていたけれど、古典的に感じる部分はかなり削いだ感が……台詞が特に。勿論、原作の伝えたい事はそのままなんだろうけど、設定とか口調とか言葉遣いとかがかなり砕けてるかなーと。脚本じゃないけど、最初と最後? に流れた曲でエレキギターとかドラムとか普通に使ってたし(劇中のはクラシックだったと思うけど)
 あと色々設定が変わってて面白い。ロミオが女好きで女の子達と遊んでたり、対するジュリエットがルックスに自信がなくて勉学に走ったり。台詞だと、ロミオが「おっぱいめざしてしゅっぱ〜つ!」とか「女ってめんどくさいな」とか、ジュリエットが「少なくとも『息が切れた』って言うぐらいには喋れるじゃない!」とか、これ原作であったら嫌だなと(笑)2人以外にも、マーキューシオが「男はここだ! ここの大きさで決まるんだ!」とか言って股間押さえてシャウトしたり、バリア(ジュリエットの乳母)が「たとえ2人が勘当されても、私はお2人に誠心誠意お使えします! その代わりといってはなんですが、私の縁談の方も……」とか言い出したり。その分話に入りやすい部分があったと思うなあ。言葉の理解でつまづくと結構痛かったりもするから。演出家さんと脚本家さんの対談(@パンフ)でもそんな感じの事を触れていたけれども。
 色んな露出での宣伝で言われていた通り、上記の台詞があったような前半の明るい部分によって、後半の悲劇とのギャップが出やすくなったというか。最初の方は会場も笑ってたのに、後半はすすり泣く声が多かった気がする。私は花粉症でぐずってたが(SA・I・TE・I)
 明るかった所でいうと、ロミオとジュリエットの会話も結構ツボに入って笑ったりとか。
ロ「あの月にかけて君を守るよ」
ジ「あ、でも今、月が隠れてしまったわ」
ロ「……(床を転がって)月使えねえー!」
ジ「いいえこの場合使えないのは雲では? 月を隠してしまったのは雲ですし」
 この後なんか続いたはずだけど忘れた……orzていうか月使えないってロミオ様(笑)結構ジュリエットが夢見る女の子な部分もありつつ、勉学に走った分理屈っぽくなってて、ロミオは「今まで感で生きてました!」っていう感じなので、その対比も面白かったなあ。
でもこの後、ティボルトにマーキューシオを殺されて、ロミオは怒りに身を任せてティボルトに戦いを挑んで、実際はティボルトはロミオの剣で自害するんですけれども。そのマーキューシオが殺された時に最初にぐわーっと来た。マーキューシオの夢、船に乗って金銀財宝持ち帰ってモンタギュー家に恩返しする、っていうのを語るシーンが冒頭のまだ明るい所でもあるんですが、それと同じ内容を、剣で刺されたマーキューシオがふらふらになりながらロミオに語ってる所があって。その後倒れて死んでしまうんですが、そこで「まきゅーしおーーー! しょおーーーーん!」って思った(中の人の名前を叫ぶな)
 ティボルトもなあ……ずっとジュリエットの事が好きだったのに、ずっと渡したかったプレゼントも渡せず死んじゃうんだもんなあ……そのプレゼントは死んでからジュリエットの手元に届くし。
ティボルトが死ぬ直前に「モンタギューもキャピュレットも滅んでしまえ!」って叫ぶんですが、それがこの話全体の1つのテーマを象徴してるのかなあと。ロミジュリって単純に悲恋の話だけかと思ったけど、考えたらそこには対立とか、あと身分の違いとかも入ってきてるわけで。ロミオが貴族というお高くとまってる身分、っていうのを嫌ってる、というのが伝わるシーンが諸所にあったりとか*3この話にそういう面があったんだっていうのを初めて知ったなあと。
 あ、ここまで書いててあれですが、結構脇役というか主役2人以外の人間も人間味があったのが発見。神父さんとかも*4。悲恋だと思ってたっていう上記の通り、ロミジュリ以外は本当に脇役脇役してると無意識に思ってたので。ジュリエットパパが象徴してた「家の発展もさせなきゃいけないけど娘にも幸せになって欲しい」っていう部分がぐっときました。そして乳母さんのバリアさんが好きです。ジュリエットに「だからモテねーんだよー」とか言っちゃうし(笑)
 ちなみに、1番泣きそうになった所は、終盤で神父さんにロミオが「人を愛して愛しきれず、身分を憎んで憎みきれず、友を庇って庇いきれず」って言ってる所でした。最初おちゃらけてた分余計にその重さが増すというか。あと、ロミオが毒を飲んで死んだ後、仮死状態からジュリエットが覚めて、隣にいるロミオに「寝てらっしゃるの? ほらまた冗談ばっかり」って明るく言ったのに、その後死んでる事に気づいて「……ロミオ様っ!!」って叫ぶ所も「うわあああああん・゚・(ノД`;)・゚・」ってなったし。
 と、舞台そのものをかなり楽しんで見てました。勿論、自担の演技を見るのが初めて、という部分もあったのですが、普通に(っていうのもあれだけど)問題なくない……? まあある意味極端な感情の移動の仕方をする部分が多い気もするけども、言ってもそんなにうえださんを意識させる部分はなかった……はずだよ……(そこ自信持とうか)という事でドラマも楽しみです(ええー)

 あ、さっきも触れましたが、パンフの中に演出家さんの吉川さんと、脚本家さんの金子さんの対談があって、そこでうえださんについてこう話されていたのですが:

吉川「僕は、最初はもっと中性的な人という印象だったんです。でも実際はものすごく男っぽいんですよね」
金子「そう、ルックスは中性的なのに、持ってるものはすごく骨太で硬派なんですよね。(略)」

 そ こ だ よ ! そうなんだよ見た目は確かに中性的かもしんないけど中身むっちゃ男前なんだよ! 露天風呂で女湯気にしすぎてなかまる氏が下半身に初めてタオル巻いてないのにも気づかなかった人なんだよ!(男前違うと思うよ)(まず硬派じゃなくなってるし)(そして06年夏のMステを君は覚えているか)物凄く激しく頷きました……本当に……小躍りする勢いで……。最後がこんな話ですみません。

*1:原作に対する知識と、今回の舞台での露出で知り得た部分とで

*2:ドリボってどの程度「演技」なのでしょうか……よくわからないその辺

*3:ジュリエットに、一般の民の生活の辛さを語ったり、等

*4:結構、というかかなり重要キャラなのにここに全然名前が出てきてない……あれ……?